2024年4月17日の夜中に震度5の揺れを体験した時に、
テレビで初めて「長周期振動階級(ちょうしゅうきじしんどうかいきゅう)」という言葉を目にしました。
長周期地震動階級とは何か知らなかったので調べてみました。「長周期地震動」についても簡単にわかりやすく説明します。
また、長周期地震動階級という基準がいつから導入されていて、
何階以上の高層ビルを対象に作られた基準なのかについても調べてみます。
皆さん一緒にみていきましょう。
長周期地震動階級とは?
長周期地震動階級とは、
固有周期が 1 ~ 2 秒から 7 ~ 8 秒程度の揺れが生じる高層ビル内における、地震時の人の行動の困難さの程度や、家具や什器の移動・転倒などの被害の程度から 4 つの段階に区分した揺れの大きさの指標です。
引用元:国土交通省 気象庁
普段、私たちが地震の速報などで目にする「震度5弱」「震度4」などの震度階級の情報は
ある場所で地震が起きた時に私たちが生活しているその場所で
実際にどのような現象や被害が発生するかを表したもので、地上での被害を想定されているものです。
同じ震度5でも、高層ビルなどの背の高い建物は、平屋に比べて被害が大きかったりしますので、
高層ビルにおける被害の程度を表しているものが長周期地震動階級なのです。
長周期地震動とは?簡単にわかりやすく説明!
長周期地震動とは、
揺れが1往復するのにかかる時間を「周期」といいます。地震が起きると様々な周期を持つ揺れ(地震動)が発生します。ガタガタと小刻みに揺れる周期の短い揺れに加え、大きな地震では船に乗っているような周期の長い揺れが発生します。これを「長周期地震動」
引用元:政府広報オンライン
地震には色んな周期の揺れがあり、周期の長い揺れを長周期地震動と呼びます。
振り子をイメージすると分かりやすいかもしれません。
振り子をちょっと指で押しただけだと、細かく短く揺れますが、振り子を持ち上げて手を離すと、大きく長く揺れ続けますよね。
この大きく長く揺れ続けるような揺れを長周期地震動と呼びます。
この長周期地震動には以下のような特徴があります。
・地震が発生した場所から数百キロメートル離れた場所でも大きく長く揺れる
・ビルの高層階ほど揺れやすい
これまで起きた世界中の地震の中でマグニチュードの最高は9.5(1960年5月南米チリ地震)です。
震度は0から7までの10段階で表すのに対して、マグニチュードは無数にあります。そのマグニチュードが大きいほど、長周期地震動は発生しやすく、
短い周期の揺れに比べて弱まりにくく、遠くまで伝わりやすいので、
どこで地震が起こったとしても、日々の生活の中で、地震対策を講じておき、備えておくことが一番大事ですよね。
長周期地震動階級はいつから導入された?
長周期地震動階級は2013年に設定され、
2013年3月から2019年2月まで試行的に運用されていました。
2019年3月19日より本格的に運用され、
2023年2月1日より緊急地震速報の発表基準に長周期地震動が加えられました。また、震度と同様にオンライン配信を行う事も発表されています。
長周期地震動階級は何階以上の高層ビルが対象?
長周期地震動階級は、大体14~15階建て以上の高層ビルを対象として作られています。
長周期地震動階級の解説表は以下の通りです。
人の体感・行動 | 室内の状況 | 備考 | |
階級1 (やや大きな揺れ) | 室内にいたほとんどの 人が揺れを感じる。 驚く人もいる | ブラインドなど吊り下げ ものが大きく揺れる。 | |
階級2 (大きな揺れ) | 室内で大きな揺れを感 じ、物につかまりたい と感じる。物につかま らないと歩くことが難 しいなど、行動に支障 を感じる。 | キャスター付き什器がわ ずかに動く。棚にある食 器類、書棚の本が落ちる ことがある。 | |
階級3 (非常に大きな揺れ) | 立っていることが困難 になる。 | キャスター付き什器が大 きく動く。固定していな い家具が移動することが あり、不安定なものは倒 れることがある。 | 間仕切壁など にひび割れ・ 亀裂が入るこ とがある。 |
階級4 (極めて大きな揺れ) | 立っていることができ ず、はわないと動くこ とができない。揺れに ほんろうされる。 | キャスター付き什器が大 きく動き、転倒するもの がある。固定していない 家具の大半が移動し、倒 れるものもある。 | 間仕切壁など にひび割れ・ 亀裂が多くな る。 |
階級4の地震速報は特別警報に位置付けられています。
高層階に住まわれている方は、震度やマグニチュードなどと同時にこの長周期地震動階級もチェックする必要があるのかもしれないですね。
長周期地震動階級についてまとめ
今回、長周期地震動階級とは何か、また、長周期地震動階級はいつから導入されていて、何階以上の高層ビルを対象に作られたのかについても調べてみました。
・長周期地震動階級とは高層ビルにおける被害の程度を表しているもの
・長周期地震動階級は2019年3月19日より本格的に運用されていた。
・長周期地震動階級は大体14~15階建て以上の高層ビルを対象としています。
南海トラフ地震がいつ起こってもおかしくない今、私たちは常日頃から災害への備えを行い、
情報収集して地震の知識も蓄えながら生活していきたいものですね。
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