2024年1月、日本でも夫婦の離婚後に父母両方が子どもの親権を持つ「共同親権」の導入が本格的になっているようです。
法務省は民法などの改正案を今国会に提出し成立を目指す方針としています。
現在、日本の法律では夫婦の離婚後は父母のどちらか一方が親権を持つことになっている「単独親権」と決まっています。
「共同親権」が導入され選択肢が広がれば、離婚という選択肢にも大きな影響を与える事になると思います。
今国会で成立した場合「共同親権」はいつから施行されるのか?
「共同親権」の場合、養育費や児童扶養手当(母子手当)はどうなるのかについて気になったので
調べてみました。
皆さん一緒に見ていきましょう。
「共同親権」とは?
「共同親権」とは父と母が離婚した場合、親権を父と母の両方が持てるようにする制度です。
「共同親権」が導入されると、離婚する場合は以下のようになります。
・共同親権にするか、単独親権にするかは父母が協議によって決める。
・意見が対立する場合や協議できない場合は家庭裁判所が判断する。
・裁判所は親同士や親子の関係などを考慮することになっていて、特にDVや子どもへの虐待が続くおそれがある場合、単独親権にしなければならないとされている。
・「子の利益のために急迫の事情があるとき」(子どもの緊急の手術や入学手続きなど)のほか、子の監護や教育に関わる日常の行為は単独で親権を行使することができる。
現在の日本は、「単独親権」といって、父と母が離婚した場合、親権はどちらか一方が持つような制度になっています。
多種多様な生き方が認められる時代において、選択肢が広がるのは個人的には良い事だと思います。
「共同親権」の導入が進められている背景には
親が離婚したあと、子どもをどう育てていくのか。という課題があります。
家族や子育ての在り方が多様化する中で、法制審議会の部会が3年近く議論を行い、まとめられた要綱案の一つが「共同親権」です。
共同親権の導入が盛り込まれている、要網案のポイントの中で一番大切だと思った部分を抜粋しました。
まず、大前提となる考え方は「子どもにとって最善の利益となる」ことです。
このため大原則として、親権の有無にかかわらず、父と母には子どもの人格を尊重し、子どもを養育する責務があり、親と同程度の生活を維持できるように扶養しなければいけないこと。父と母は離婚後も含め、子どもの利益のため互いに人格を尊重して協力しないといけないことなどが明記されました。
引用元:NHK
父と母である以上、子どものために協力しないといけないという考えには納得です。
私は、夫婦間の結婚生活が上手くいかなかったとしても、それは子どもの人生とは切り離して考えることだと思っています。
子どもには子どもの人生があり、子ども自身が自分で自分の人生を歩いていけるように、
父は父なりに、母は母なりにサポートをする必要があると思います。
父と母の教育方針が違うことはもちろんあります。
しかし、どちらの教育方針も父と母自身の経験や体験が生かされた子どものことを思っての行動や言動であると思うので、
子どもをどうやって育てていくべきなのか父母でよく話し合って、
子どもができる限り笑顔になれるお互いに妥協できる案を出し合うことが大切だと思います。
「共同親権」が導入されることによって、デメリットも多く考えられますが、ある程度の基準を設けて対応できるようになると良いと思います。
離婚する父と母がもっと子どもの未来に目を向けて話し合いや計画案などが出し合える環境が整ってくることを望んでいます。
「共同親権」はいつから施行される?
2024年3月8日、「共同親権」の導入に関する改正案が国会に提出されました。
2024年4月16日、一部修正されて衆議院本会議で可決され、参議院に送られています。
国会で成立すれば、公布から2年以内に施行されるようです。
法施行前に離婚が成立している夫婦でも、裁判所に親権変更の申し立てをして、
認められれば、共同親権に変更することもできるようです。
国会で法案が成立すれば、離婚後の親権に関する家族法制の改正は77年ぶりとなるようです。
「共同親権」が成立したら養育費はどうなる?
養育費とは、子どもの監護や教育のために必要な費用のことです。
子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を意味していて、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などが考えられます。
現状では、子どもを監護する方の親は、他方の親から養育費を受け取ることができるようになっていますが、
共同親権を選択した場合も養育費については話し合って決めることになると思います。
子どもに対する負担が公平になるように決めていくことになるはずです。
父も母も同じぐらいの時間を監護するなど、一緒に過ごす割合などが同じぐらいになれば、
子どもに対する負担が公平になって養育費を渡すというようなことが発生しなくなる場合も考えられますよね。
子どもと一緒に住んでいる方が色々と費用もかかるため、共同親権を選択したとしても、子どもと離れて暮らす場合は養育費を渡すことになるのではないでしょうか。
共同親権の導入と同時に養育費の新しい規律も要網案に盛り込まれています。
・養育費の取り決めをせずに離婚した場合でも、一定額の養育費を請求できる「法定養育費制度」を設ける。
「法定養育費制度」については、以下の記事を参考にしてみて下さいね。
「共同親権」が成立したら児童扶養手当(母子手当)はどうなる?
共同親権を選択すると、児童扶養手当がもらえなくなるのではと思う人も多いかとは思いますが、
親権と児童扶養手当(母子手当)は関係がないので、
親権を持っていない、共同親権を選択したからといって、児童扶養手当がもらえなくなることはなさそうです。
児童扶養手当(母子手当)は、対象となる児童を養育している父子世帯・母子世帯、
もしくは父母に代わって養育している人に年6回、奇数月に2ヶ月分がまとめて支払われますが、
所得制限があるため、所得が一定金額以上になると減額されたり、受け取れなかったりします。
離婚の際に養育費を定めて、受け取っている養育費も金額の8割は所得とみなされるため、児童扶養手当(母子手当)の減額対象になります。
「共同親権」についてまとめ
今回、共同親権はいつから施行されるのか、共同親権を選択すると養育費や児童扶養手当(母子手当)はどうなるのかについて調べてみました。
・共同親権の具体的な導入時期はまだ決まっていませんが、そんなに遠い未来ではなさそうです。
・養育費は話し合って決めることになると思います。
・親権を持っていない、共同親権を選択したからといって、児童扶養手当がもらえなくなることはなさそうです。
これからの日本や子どもたちの未来がよくなる方向にいくといいなと思います。
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